2013年
《澁谷蒼茶室枯山水屏風》2013年 「Who By Art Vol.2」西武渋谷店美術画廊、東京/写真 : 井上 圭佑
《澁谷蒼茶室枯山水屏風》
2013年
四曲一隻屏風
渋谷で拾ったダンボール、空き缶、古新聞、アクリル絵の具、その他
131.7×312.0(cm)
渡辺は2010年に半年間アーティスト仲間と企画を作り、渋谷・宮下公園に住むホームレス達と生活をしていた。公園で寝起きし、ホームレス達と作品を作ったり、ワークショップを行った。当時、その公園は行政によるホームレスの排除を目的とした、改修工事計画があると聞きつけたからだった。最終的にブルーシートハウスに住む彼らの住処は行政代執行により強引に解体され、すべてが排除された。
この作品の展示依頼のあった渋谷の高級百貨店と同じ街で起こっている、見えづらい貧困者排除の問題(ホームレスのハウスは近年、行政による排除やフェンス等による目隠しをされがち)を、渡辺が考える「百貨店アート(装飾的で、保守的で、適度に華美な)」としての、「金の屏風画」に擬態させた。金箔地に見える部分は渋谷で拾い集めたダンボールであり、また、四隅の表具部分はチープな発泡酒の空き缶で作った(彼らの一部は空き缶集めで収入を得ている)。
見立ての哲学による「枯山水」自体を見立てとして利用し、「ブルーシートハウス群」とのダブルイメージで描いた。たとえ蓋をしても滲み出てしまう、人の存在や生活の息吹を描いた。
【展示歴】
展示風景 : 個展「ヨセナベ展」Art Lab AKIBA、東京、2014年/写真 : 小山 仁
展示風景 : 「"STRAIGHT to the ______"」THE blank GALLERY、東京、2015年
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【制作・設営協力】
市村 香織、オノダ エミ、梶間 浩幸、鎌田 昇、渡辺 政子
【協力】
littlefan株式会社、西武渋谷店美術画廊