2015年
《渡辺篤の家(仮)》
2015年
展覧会中にブルーシートハウス内で生活
ブルーシート、ダンボール、木材、ガムテープ、など
(展覧会”STRAIGHT to the ______”会期開始数日前に、自身のSNS等で公開したステイトメント)
ストリートアーティストやグラフィティを主に扱う「THE blank GALLERY」×「SIDE CORE」の企画に渡辺 篤が割り込ませて頂くことになりました。
開催一週間を切ったタイミングで急遽、THE blank GALLERYでの3周年展に呼ばれました。開催直前になって、出展人数が減ってしまったということで、ピンチヒッターとの旨、連絡をいただきました。悩みましたが結果引き受けることにしました。
僕の過去作品の中からストリートと関連するものを数点展示して欲しいとの事。それだけでも請け負った空間はどうにか埋まるのかもしれませんが、様々考え、会期中にギャラリーの屋外部分(ベランダ)で住むことにしました。
今回はストリート系の作家陣ですが、僕はそもそもいわゆる「ストリート系」である自覚はありません。僕がこれまでの経験で知っているのは「街で生きること」や「路上からの視点」なのです。
僕は2010年ごろに、今回の会場からも近い、渋谷の公園や高架下で野宿者の方達と共に暮らしました。彼らの中に形だけでも入っていって、そこで知り、感じたことのリアルを僕は今回会場に持って行きたいと思います。
半年間の野宿者体験は、雨風や寒さ暑さをしのぐ為の場所を作る事、皆で炊き出しを作ること、連日新鮮な経験でした。また、現場には思いのほか悲壮感漂うことの少なさを実感しました。生活を自らの手でどうにか工夫しながら作る感覚がありました。
今回の展覧会場では僕が過去に作ったいわゆる「作品」ももちろん展示します。これらは渋谷での野宿生活体験の記憶を活かし、「排除」や「混沌」をテーマとした作った作品です。そしてそれ以外に、会場の屋外部分に僕が会期中に居住します。この行為は作品ではないかもしれません。作品としてのサービス性や「見栄え」も、きっとほとんど用意しません。もしかしたら鑑賞の構造からすると乱暴かもしれません。「アーティスト・イン・レジデンス」と言ったほうが近いのかもしれません(あるいは「ハプニング」?)。
もはや作品でなくていいのです。既視感のあるスプレー画での図像、多くのストリートアートに共通する、ある種の粋な空気や形式などではなく、実際に街で生きていたあの人達の工夫に習い、「住む/生きる」ことに重きを置きたいのです。ストリートアートであることの導入部は形式やファッションではない。カッコいいストリート系のギャラリーで空気壊してほんとすみません。
会期中2週間、そこに住もうと思います。
THE blank GALLERYにて04/26から。ご来場よろしくお願い致します。
どうにか楽しくベランダ野宿、やってみようと思います。住んでる様子も覗きに来て下さい。
【開催概要】
タイトル :「 ”STRAIGHT to the ______”」 (THE blank GALLERY 3周年展)
会期: :04/26(日)~ 05/10(日)オープニング:初日17時~
会場 : THE blank GALLERY
住所 : 渋谷区神宮前3-21-6大崎ビル3F
時間 : 平日13時-19時(休・木)、土日祝12時-19時
アーティスト : 関山 草、藤元 明、松下 徹、渡部 剛、渡辺 篤、Little Boy、Rob Judges、SALOTEZUMO、snAwk、ZEDZ